パンドラの箱

インナーチャイルド3

 
母との間に課題があることは自分で知っていました。

元夫と別居したあとに母との関係が崩れていたからです。

私の友達やまわりの人の多くは、母との関係が昔から良くなかったと思っていたようなのですが、実は違うんですね。

ずっと仲の良い親子だったんです。

一緒に出かけることも多くて、「お母さんと性格や言うことがよく似ている」と言われることが喜びでもありました。

なのに一瞬でダメになった関係。

知り合いのセラピストに、子供の頃の感情を癒したほうが良いと言われても、そんなことは関係ないと拒否を続けていました。

何故、頑なに拒否していたかと言うと、私は母との関係が崩れ始めたときに、母と直接対決しているんです。

「いつも否定ばっかり」

「私が○○ちゃんにイジメられてたの知らないでしょ!」

子供の頃に辛かったことや悲しかったことを母にぶつけたんですね。

そこで返ってきた言葉は

「知らんわ」

「昔のことはどうでも良いでしょ」

というものでした。

この言葉に私は傷つきました。

そして、「分かって欲しい」「お母さんならきっと分かってくれる」という思いは、「ああ、この人は何を言っても分かってくれないんだ・・・」と冷たい怒りに変わったんです。

そのとき以降、人が少しでも母の味方をするような発言をしたり、人から「あなたもお母さんのDNAを引き継いでいるのよ」なんてことを言われると、お腹の底から怒りがわいてきて、

「お母さんのことはどうでも良い」

「私のことを分かってもらおうとも思わない」

怒りの矛先は母だけでなく、母のことに触れる人に向かうこともありました。

「私がどれだけ傷ついたのか知らないくせに」

そう思っていました。

でも、違いました。

母に対する直接的な感情や、人が母のことに触れることでわいてくる感情、

また、母のこととは全く関係ない「大人になってから起きたことに対して生まれる感情」は、

私が子供の頃に封印した感情だったということに気づいたんです。